ネット業界の営業や営業組織について考えてみる~第四章
私のキャリアをちょっとだけ説明すると、いくつかの企業をサラリーマンとして経て、今では独立していくつかの企業に外部顧問、コンサルとして参画しています。
コンサルのお仕事や相談を頂く中で、営業組織の構築や営業メンバーの育成をなんとかしたいという要望が一番多いです。(売上の伸び悩み、離職率が高い等から)
なので、こんな感じのブログを自分の頭の中を整理する意味でも書こうと思いました。
営業の強い会社の方程式、、これ今まで経験したことの結論なんでけっこう自信ありますw!
■営業の強い企業の方程式
個人スキル × 企業文化 × ツール
この方程式が自分なりに出した結論です。この3要素がバシッとはまった会社は強いです、ほんと。。
これから順に説明しますが、まず私は
どこの部分が弱いから、どう対策するか、、
まずはどこから対策するか、、(優先順位)
誰に対策させるか、当事者はだれか、、
など、コンサルするにあたり、優先順位をつけていますので、営業部をまとめなくてはいけないポジションの方には何らかの参考になると思います。
①個人スキル
ここを因数分解すると
・コミュニケーション力
・提案力(面白い企画、ロジカルな企画、、)
・資料作成能力(パワポ、エクセル、、)
・営業マインド
・コミット力
に分けられます。
そしてこれらの要素を、
・新規営業 or 既存(ルート)営業
・対面営業 or 非対面営業
と掛け合わせてやり方、攻め方を考えないといけません。
この辺をちゃんと整理できているリーダーの元で育成を受ける営業マンは伸びると思います。
それがOJTという都合のいい言葉で片付けられ、とりあえずついてこい!という指示だけを受け、同行だけさせる会社もあるんですが、これじゃあ育成は出来ないです。。
個人スキルを伸ばすにも細分化した適切なアプローチが必要です。
②企業文化
ここは一番変えるのが難しい。。
経営者の想いが強く出るところなので、営業寄りに文化を変えるというか意識を傾ける事は難しいところです。
よくあるのが、営業を嫌う経営者。
「うちの会社は営業会社にしたくない、、」
「うちはクリエイティブな会社、プロダクト・サービスが強い会社なんで営業不要、、」
「営業を軍隊みたいにするとみんな自ら考えなくなりそう、、」
こんな声はよく聞きます。
ですが、ここはほとんどの場合、経営者が営業未経験で営業をイメージで語ってる事が多いです。今の20代の子達で、そもそも軍隊みたいな営業組織は作れないですよ。。今の時代に合ってないです。。
「そんな組織を作ろうとなんかしてません、普通に自社のサービスを自社の人間が売れるスキームを作ろうという話です。」こんな説明を経営者に何度かした覚えはあります。
ここで言いたい事は、営業を強くしたいなら、営業がもっともっと売ってくるような評価基準や、社内体制・ルールは作ったほうがいいです。
クリエイティブの人しかいないデザイン会社が少し大きくなり、営業が入ります。
そうすると、その営業を評価する基準や方法がまるでないんですよ。。
(一方クリエイティブ部門の人の評価項目は多彩)
これじゃあ、営業は何を目標に頑張ればいいのかわからないし、会社にいてもなぜか疎外感を感じ、モチベーションも下がります。
時間はかかりますがこの辺の体制にも中長期的に手をかけるべきです。
歩合、賞与、評価基準の明文化、表彰などなど、出来ることは多くあります。
1人でも営業がいるのであれば面倒くさがらずに基準を作りましょう。
③ツール
よくある話で、セールスフォースをはじめ、スプレッドシート、エクセルの管理表、メールでの報告、訪問毎の議事録作成、全て社内のナレッジ共有を目的にされてますが、一つ一つ見てみると、まあ更新されてない、誰も見ていない、内容はコピペ、、、
ほんと意味ないです。
でもなぜかツールにこだわる企業が多いです。
まずは、本当に数字につながる報告やツールに絞り、ちゃんとみんなで使う(見る)事が重要です。その慣習をつくるためにツールを見直す事は大事です。
形骸化しているツール無いですか?
精度の低い表はないですか?
誰も見てない報告ないですか?
まずは無駄な事は削りましょう。。
この無駄な部分がもしあるのであれば、営業なら客先に出向く、一本メールを返信する、提案書をより面白いものにブラッシュアップする、、そんな時間に使うべきです。
最初に書いた方程式の個人スキルの部分に時間を使う方が、個人も企業も成長する可能性高いですし、その先にはクライアントにもメリットのある話につながると思います。
ちょっとそれますが、こうゆう形骸化されたツールが多くある企業は育成面でもよくないです。新人にここに入力するように、、と入社早々指示があり、入れていても誰も更新してない、、なんてことになるとまず「この会社大丈夫か??」となります。
新人が組織に不信感をもつきっかけになり、会社や上司をなめる事にもつながるので良くないのです。
ネット業界の営業や営業組織について考えてみる~第三章
今回は社内コミュニケーションについて。
ひと昔前、いやふた昔まえかな、、の営業マンは営業は足で稼ぐ!なんて昭和臭い事言いましたけど、最近はWeb会議システムや、メールやチャットでの受発注も随分増えてきましたよね。
ですが、まだまだクライアントの元に出向き、膝を付け合わせて行う商談が完全に0にならないのも訳があります。
実際に会って商談をすると、受注率は確実に上がるからです。
いつの時代も人は人から物を買いたいという心理はあるんでしょうね。。
でも、せっかく時間を使って訪問するので少しでも受注率は上げたいもの。
そこでいうと下記ような事を先方に想像させることが出来たら100点だと思います。
・このサービスを買えば儲かるな
・この会社と一緒に仕事したいな
・この人と一緒に仕事したいな
この想像という部分は、やはり膝を付け合わせて商談するからこそ成し得るシチュエーションなんだと思います。
まあ、そうゆうこともあり、営業は外出が増えます。増えなきゃダメです。
そうなると上司部下の社内の報連相を含むコミュニケーションが疎遠になります。
いや、うちはセールスフォース、チャット、メールで報連相しているから大丈夫とよくいう人いますが、実際に現場に入り込むと全然、コミュニケーションが断裂というか機能していないケースが多いです。
ですのでまず、営業の上司、部下の関係でコミュニケーションを通じすり合わせなくてはいけない事は、
①部下に期待役割を認識させる
②部下のタスクの優先順位決め
③部下の課題、立ちはだかる壁は何か?
この3点です。
もちろんこれ以外で、数値や受注になりそうな案件、クレームになりそうな案件など、報連相しなくてはいけない項目はありますが、コミュニケーションが断裂しているケースではこの3点が全く擦りあってない事が多いです。
少々深めに話をするとまず、
①の部下への期待役割とは、君にはこれを期待している、やってもらいたいと思っている。という事をシンプルに伝える事です。
その際、それをしてもらうと、チームがこうなり、会社がこうなる、そうするとクライアントにもこんなメリットがあり、、と先々で得られる様々な貢献までしっかりと伝え、イメージさせてあげてください。
②タスクの優先決めについては、こちらからある程度の経験で、これ1番、これ2番と決める事は可能ですが、部下の子のやりたい事とその理由もちゃんと聞いてあげてください。
部下も仕事を通じ成長し、キャリアにしたいと考えているはずです。その成長意欲は聞いてあげてほしいですね。
③部下の課題については、そもそもそれが課題、壁なのかどうなのか?、からヒアリングする必要はあります。
結構、大したことではないケースを大きな壁と捉えておびえているケースも多いので、どんどん課題は吐き出させてあげましょう。
これやっておかないと、もし部下が退職になった時、上司は何の話も聞いてくれなかったし、困っているのに助けてもくれなかった、、なんて言い始めます。
社内コミュニケーションについては、この3点を中心に把握していこうと試みてください。
個人的には、日報という形式で、この辺の部分にふれられているシンプルなフォーマットを帰社前に上司に送信、翌朝上司は、その日報に対し返信。。このような一見アナログなやりとりですが、繰り返す事で部下のコンディションも見えてくると思います。
シンプルな運用にして継続できるようにトライしてみてください。
ネット業界の営業や営業組織について考えてみる~第二章
営業の仕方、攻め方を考えてみる。
まず、営業の仕方(販売ルート)としては
①直販営業
②代理店営業
の大きく2つがあります。
また、それぞれの営業にはプッシュ型とプル型があります。
ですので、厳密には4つのルート、いわば攻め方があるという事ですね。
それでは一つずつ簡単に解説。。
①-1:直販営業ープッシュ型
テレアポや飛び込みで、こちらから販売を仕掛けていくやり方。
俗にいう営業会社の典型です。
一見泥臭そうなイメージはありますが、20代でここをやりきると、ほんとに力が付きます。
むしろ20代でしか出来ない攻め方かもしれません。30代で頭がやや硬くなった人には順応できないかもしれないです。。
このやり方を否定する、または非効率だと言う経営者は正直多いですが、新人の子達の実力になるのであれば、この戦略を取るのもありです。
難しいのは、モチベーション管理と維持。
下の子のモチベーションももちろんですが、管理するリーダー側のモチベーション管理も大事になります。
テレアポにしても、飛び込みにしてもかなり精神的にきついので大変なんです。。
また、なぜ実力に結び付きやすいかという部分ですが、自ら切り開く力がつく、そんな経験が積めるんですよ。ビジネスは賢く行う方が効率的ですが、そうもいかない時、、ありますよね。
そんな時に、ただただ、自らクライアントを探し、テレアポして、商品を売りに行く、
当たり前の事のようですが、この戦略を自ら取れるという事はいつになっても心強いものです。
①-2:直販営業ープル型
メール営業やSNS、広告を活用し、広告主からの問合せを引き出していく営業手法。
また、セミナー開催などで集めるのも一つのやり方です。
上手く広告が作れて、さらにバズれば、効率のいい手法です。
ただ、SNSの広告などもコストが高騰しているので費用対効果は悪化している企業が多いようにも思えます。
メールの文面の変更や、広告運用での手直し、高速のトライ&エラーが求められるやり方です。効果も出てない、よくわからないのにだらだらと出し続けている企業も多い印象です。
他の社員からしてもここにだらだらコスト使うなら、自分らの給与5千円でもいいから上げてくれよ。。なんていう不満も出やすいですね。
②-1:代理店営業ープッシュ型
大手の代理店であればナショナルクライアントを持っている可能性も高いので、大きな金額の案件を頂ける可能性は高いです。
代理店にプッシュで攻めるというのは、とにかく会いに行く、そして営業マンの担当企業名の整理、担当商品名の整理、広告予算決めの時期把握、を絶えず行う事が基本になります。
これらをリスト化して、社内で共有し、部署の異動や担当企業の変更があればみんなでリストを更新するような形が理想的です。これは会社の財産になりますね。
そして、これらのリストを元に絶えず、提案を繰り返す姿勢が大事です。
こちらから連絡を積極的に取り、○○会社の××という商品にぴったりの提案があります。と代理店の営業マンに企画提案を繰り返し、いつも提案持ってきてもらえて助かります。なんて気に入られると結構、案件振ってくれます。そうなれば御の字ですね。。
②-2:代理店営業ープル型
正直、代理店に対しプッシュかプルかどちらが効果的かは、売りたい商品の属性で変わってきます。
他にはなく、尖っているサービスであれば、プル型でも問合せ来ると思いますが、他にもありそうな商品だと問い合わせを狙うのは厳しいです。
代理店の人らは、直接「その商品どこにでもありますね。」なんて、正直なこと言ってくれません。。「良いですね、なにか案件がありましたらこちらから連絡します。」が得意文句です。
なので、ここは営業時にしっかりとヒアリングする事が大事です。
ストレートに、うちのこの商品と同じようなもの扱ってますか?
また、クライアントに提案されましたか?
効果はどうでしたか??と。
そこで得られた情報から、再度自分の売りたい商品の営業を立て直したほうがよっぽど受注確率は上がります。
くれぐれも、代理店の「いくつかのクライアントに提案してみますね。」は信用しないようにしましょう。
また、代理店から問い合わせを取るためにはメルマガのような献身的なアプローチは必要です。月に1,2、回でも現在のサービスの状況や、導入実績、キャンペーン情報など、、をわかりやすいメールで今まで名刺交換した代理店営業マンに一斉配信です。
ですので、まずは名刺をGET=メアドGETしないといけないので、始めはプッシュの営業活動をやる必要はあります。
まとめますと、、簡単に上記4つに営業の仕方を分けましたが、
・サービスの特性
・企業風土
・社長の考え
・営業マンのタイプ
これらをプラスして、どのルートで営業していくのか最終的に決める必要があります。
あそこの会社(競合)はプッシュで直販してんだから、うちもそれでいこう。。は危険です。次回以降でもブログにしようと思いますが、インセンティブ(給与)の仕組みや、企業の大きさ、福利厚生等、いくらサービスが似たり寄ったりの競合企業とはいえ会社は別。売り方だけにフォーカスをあてて戦略を決めるのは危険なのです。
ネット業界の営業や営業組織について考えてみる~第一章
いいサービスやプロダクトがあるのに売れない、なので売上利益が上がらない。。
こんな声は良く聞きます。。
なぜか、、、
当たり前ですが営業(販売)していないから、または営業を外部に委託しているからです。
営業という販売部隊を自社内に置くことで、色んなメリットを享受できます。
ですが、組織構築するのには時間もコストもかかるので後手後手になったり、投資を躊躇するケースも多いです。
中期的に計画をして、営業組織が構築できれば本当にコスパのいい働きをしますので、少しでもそこが説明出来ればと思います。
これからのAI時代、注文方法や決済方法は大きな変化をすると思いますが、対面の営業がAIに移り変わるまではまだまだ時間かかると思います。ようは対人営業に強くなれば個人も企業も当面食べていけるのではないでしょうか。
【第一章】 そもそも営業部は必要ですか??
まずはここ、なんで必要かをしっかりと考えるべきです。
営業部も当然、人で成り立ちますので、人件費という会社の中で最も高い経費がかかることになる事は覚悟するべきです。
あと、営業マンの成長もかなりまちまちで、すぐにコツをつかむ子もいれば、いつまでたってもコミュニケーションが下手くそな子もいます。
なので、いつ戦力化できるか不明確という部分も注意すべき点です。
私としては80%の企業は営業部を持った方がいいというのが自論です。
なぜかというと、営業って売上という数字だけを持ってくるイメージありますが、数字以外に情報を持ってくることを癖付けさせるといい戦力になります。
物が売れる時、契約が取れる時ってはっきり言ってこの2点だけなんです。
- 買いたい、欲しいと思わせられるか
- 買うタイミングが今かどうか
ですので、欲しいと思わせる事が出来ても、受注にならない時はタイミングが今じゃないんですよ。このような失注は世の中腐るほどあると思います。お客さんは本当に欲しいと思ってもらえたのに、タイミングが今じゃない、、という不運な失注です。
ですので話を戻しますと、いくらセールストークが良くても、今がタイミングじゃないという事で売れない時があるので、じゃあ売れないなら、せめて情報を持ってくるようにと、私も常日頃言い続けてます。
営業の仕事って数字か情報取ってくるのがミッションなんですよ。
それらの情報を元に、企業はより良いサービスを作っていくべきだと思います。
ネットの市場ですと、最先端のプロダクトありきでお金や人が集まるという風潮ありますが、立ち上げ時はこれでいいですが、サービスの改良については市場から得られる情報が必要ですし、確実です。
この数字か情報かを取ってくるという営業マインドがある会社が伸びるし、安定すると思います。
一方、営業がいらない会社は
完全に受託(言われたものを作る)制作の会社、特定の取引先をルーチンで訪問だけすればいい会社、一応営業部はあるんでしょうけど、こういった感じの営業だと冒頭に記載したようにAIに取って代わられる営業部だと思います。
こちらから攻めていかなくても、受注になるような会社で営業してても、本当に強い営業にはならないと思ってます。だって誰でも売れますもん。。
あと、よくあるケースは会社のTOPセールスマンが社長というベンチャー企業。
こんな事象が起こりやすいと思います。
- 社長以外、受注取れる、売上作れる人がいない
- 社長以外、受注は取れるんだけど売上額、利益額少ない(社長の受注額に比べ)
- 営業のマネージャー職、幹部、が育たない
- 企業の成長が頭打ちになり、停滞気味。。
まず①については、社長ももちろん頑張ってますし、結果も出しているのでカリスマ性は高まりますが、企業として強くなるかというと=ではないですよね。
社長の権限が強くなりすぎて、自ら考えないような社員が多くなるイメージあります。
そして②、①よりはマシです。売上、利益に貢献しているんですから。。
でも、売上が少ないとかで受注自体がフィーチャーされない、なんてケースも多いです。せっかく受注したのに可哀そうですよね。。
企業にとって受注案件にはバリエーションがある程度必要だと思ってます。
大きな企業から大きな契約、それだけが企業の成長エンジンではないです。小さい受注からでも、その人財の成長になりますし、企業に色々なノウハウが溜まります、ここは軽視しないで、受注を称えるカルチャーは必要ですね。
続いて③、ここでいう育たないとは営業としてという意味です。
営業ってどうすれば育つかって、受注を重ねて、目標達成して、周りから評価されて、時にはクレームやお叱りを受けて、それで育ちます。
なので、受注なくして成長はないです。営業に関しては断言できます。
よくあるのが、受注は重ねてないけど、勤続年数が長いとか、社長から信頼されている創業メンバーだからとかで営業の責任者に就いているケース、、これが最悪です。
受注なくして役職就いてしまった人から、営業として学べる事はめちゃ少ないです。
一次的にこのような人事は避けられなかったとしても、営業には営業のプロ、ちゃんとした経験者を上長に据えるべきです。
最終的には④のような形で問題が表面化してきます。
数字も情報も、入りが少なくなり、カリスマ社長も受注が鈍ってきた。。
こうなると、このような企業はもろいです。
こういった事象を想定すると、強い営業部は企業に安定性をもたらす大事な部署だと思うので投資する価値は十分にあります。
ベンチャーで成長できる人
先日、某ベンチャー企業の社長から、「うちの若い社員向けに、ベンチャー企業で成長できるスキルは何か、という部分を講演して欲しい」と依頼をいただいたので、登壇してきました。
その時の内容をブログにも残しておこうと思います。
ベンチャーで成長できるスキルという話だったのですが、ベンチャーで得られるものってなんとなくでも想像つくだろうなと思い、ちょっとニュアンスを変えて、ベンチャーで成長できる人ってこんな人だよ。という流れで講演しました。
自分は就職氷河期で社会人デビューしたので、企業を選べたという経験が薄いです。
でも今は、売り手市場という事で、若い子達には企業を選ぶことが出来るというすごいうらやましい時代です。
ベンチャーと大手どっちが成長できるなんて言う議論は全く的外れだと思うので、ベンチャーの環境で成長できる人と、そうでない人というメッセージを伝えようと思いました。
話した内容はこの3点。。
①我慢:無い!を我慢できる人
ベンチャー企業って大手企業と違い、
福利厚生も、備品も、、賞与も、、、無い!もんです。
なので、この無い!という環境にいちいち文句が出てくる人は、ベンチャーきついかもしれないです。一見、派手におしゃれなオフィスを構えるベンチャーもいますが、社内のルールはズタボロで、統制がとれていない、なのでトラブルややりにくい事も色々と起きる。なんてこと多いです。
ベンチャー企業が楽しめる人は、そこを自ら変えて行こう、と思える人です。
自分も、今まで散々、部下から文句言われましたよ。この制度がないのがおかしい、会社としてどう考えているんだ、理詰めしてくるわけですよ。。
一つずつちゃんと聞きますよ。内容は仰る通り!と思う事もめちゃくちゃ多いです。
でもね、、ベンチャーなんですよ、、文句あるなら自分で変えてよ。変えるための具体的なプラン出してよ。って思います。
大手企業の一つの定義でIPOってありますよね。株式上場です。
あれは、IPOした会社は仕組みがしっかり作られている安心な会社です。という一つのわかりやすい称号です。
いいかえれば、仕組みがしっかりしているので、誰がその会社で仕事しても、ある程度の成果は出せるという事なんですね。
上場して、投資家から資金を集めている企業が、この人がいないと売り上げが上がらない。。なんて属人的だったらやばいですよね。誰がやってもそこそこできちゃう仕組みを作れればIPO出来て、大手企業の仲間入り出来るんですね。
そんな安心な企業には様々な投資家から資金を集めてもいいよ。集めやすくしてあげる証券取引所で。。という事です。
ベンチャー気質が強い人は、こうゆう風に言われると大手面白くなさそう、、と思いますよね。私は面白くないと思ったタイプです。
なので、私はベンチャーで成長してスキルアップして、起業しました。
②自分:自分磨きがしたい!と思える人。
営業マンは 商品・会社・自分 の3つを売れ!この3つのうち2つが売れれば契約は取れる。と教えられました。今でもあながち間違ってないと思ってます。
大手は、会社が売れるんですよ。私、電通の○○です。私、伊藤忠の××です。
強いっすよね。。
あとは、商品をある程度説明出来れば、ほぼ売れますよ。
ベンチャーはそんな訳にいきません。私株式会社なんとかです。。
先方はふーん、、知らないけど、、そんな態度です。
なので、商品はもちろんですが、自分売るしかないんですよ。
この売るしかないという状況が強くするんだと思います。
君から商品を買う。君が提案してくれたから買うよ。なんて言われたときの嬉しさったら半端じゃないです。
このスキルは、特にこれからの時代、大事になってくると思います。
様々な産業やサービスがAIに変わっていきますが、営業はなかなか変わらないですよ。
レジ打ちや既存からの定期受注のようなフォーマットが決まっている営業はAIに取られちゃいますが、膝を付け合わせて、ヒアリングして、課題解決の提案をする。そして、短い時間で信頼関係を築いて、ご発注頂く。
こんな高度なことは、当面人にしか出来ないと思います。
営業力というよりもビジネスコミュニケーション力を付けたい人は会社名が売れない会社の方が力付きますよ。
③方程式:お金儲け・商売の方程式に興味あり!な人
ベンチャーの人は、お金儲けを考えてる人めちゃくちゃ多いです。
うまくタスクをはくとかプロジェクトを動かしていくなんてことより、お金儲けが大好き。
また、類は友を呼ぶので、そうゆう人が集まってきます。
そんな中に身を置くと、こんなビジネスどうかな?サービスどうかな??
本当に面白いプランを考えつく人って大勢いるんだな、という事に気付かされます。
自分はこの環境が心地よかったです。。
ベンチャーは一発逆転のアメリカンドリームがあるし、それを実現した人とも会う機会が多くなると思います。
上記の内容に興味あり!という方はぜひベンチャー企業に身を置いてみる事を進めます。ワクワクするのであれば絶対に合ってると思いますよ、ベンチャー企業。
大手企業にも入りやすい現在は、あえてベンチャーに進む事を選ばない人も多いと思います。冒頭にもいいましたが、大手には大手の成長があるし、ベンチャーにはベンチャーの成長がある。どちらが欲しいのかと自分に合ってるかだと思います。
ベンチャーの方が成長スピードが早い!というのは全くのウソです。
自分に合っている場所、頑張れる場所に身を置く事が一番成長早いです。
自分も拠点を立ちあげて、24名の支店を作った事あります。
その拠点長を退く時に、今まで一緒に働いた人たちの履歴書を見返しました。。
100名ほどありました。。
いま24名という事は、約80名辞めているわけです。。在任期間が5年でしたので、割ると1ヶ月で1名以上辞めている。。という衝撃は今でも覚えてます。
ではこの80名ですが、2,3年頑張って成果だし、成長した子ももちろんいます。
でも、1ヶ月で辞めた子や、文句ばっかり、捨て台詞はいて辞めた子もいる。
おそらく80名の半分の40名はベンチャー企業で全く成長できなかった子だと思います。
合ってなかったんですよね、ベンチャーに。。
今回の登壇もベンチャーで成長出来ない子、合わない子も大勢いたなぁ~という経験から、話すテーマにしたというのが背景です。。
起業して3年、思った事をメモ
当社、株式会社ZIZIも5月で3期目が終わり、4期目に入る事が出来ました。
数多くの人に支えられてやってこられたと感謝しております。ありがとうございました。
3年という節目を迎えたので、とりあえず今の率直な気持ちをメモっておくという意味も込めてこの3年間で感じた事、わかった事を思いつくまま洗い出してみました。
ほんと起業ってやりたい人がやればいいと思ってます。
ですが、これからの時代、起業まではしなくとも自分の「個」の力で生きていかなくてならないと思ってます。起業はその一つのわかりやすい手段なのかなと思います。
これから起業する人、したいと考えている人、したらどうなるの?とちょっと気になってる人、、何かの参考になれば嬉しいです。
①住宅購入は独立の前に、、
→サラリーマン時代、そこそこ年収もあったので社会的信用はありました。マンション買う時も強気で商談できました。が、、、起業するとその信用は地に落ちます。ほんと地に落ちました。。
住宅って高い買い物ですので、将来的に欲しい人は独立する前に購入しておくことを強く勧めます!
社会保険料の支払額を抑えるために役員報酬自体を低めに設定する社長多いです。そうすると当然年収は下がりますので、社会的信用はずたぼろです。。
社保で多くの金額を払うか VS 年収上げて社会的信用GETするか
のような構図はありますね。。
②売上よりも、利益を伸ばすのが難しい
→利益、利益率の確保ってほんと難しい。利益率を下げる原因はお付き合いの中で頂けるお仕事です。ちょっとこれ安くやってよー!という断れない関係の中からくる案件が続いてしまうと利益率の低下をうみます。。
でも、大事なお付き合い、、この辺を無下に断ればその先の仕事はない、、という事にもなるので、難しいところですね。
借入する際も月商の何ヶ月分ならOKとかの指標あるんですよ。なのでやはり、創業したては売上を上げていく事を重要視した方がいいと思います。
売上が上がれば、取引先が増えているか取引先との関係が濃くなっているという証なので、利益利益で行くよりはまずはお付き合いの場を広げていくという意味で売上を大事にするのはありです。
③税理士は最初からつけるべし
→ビジネスはもちろん売上から仕入れや経費を差し引いたものが利益、この商取引を繰り返す事にあるんですが、一人で毎日これを繰り返すと視点が目先になりがちなんですよね。私は会社設立からずっと同じ税理士に見てもらってますが、面談すると視点がやはり全然違います。プロとして色んな視点を教えてもらえます。
あと、区役所やら社会保険事務所やら、色んな役所から手紙やらはがきくるんですよ。見てもさっぱり意味がわからないもの多いのでその度に税理士に聞いてます。
色んな制度や世の中の仕組みがわかって面白いですが、こんな事いちいち紙使って、送料払って送ってくるなよ、、と思う事も多々あります。これも税金かよ。。とがっかりしますね。
④体調管理にはめちゃ気を使うので健康になれる??
→まあ自分は前から健康ではあるんですが、起業して誰にも替えが効かない状況になってなおさら体調管理には万全を期してます。
プロテイン飲んだほうがいいよ、、このサプリでビタミンBは取らないと、、こんな話を聞けばすぐに実行しちゃってます。
勧められたけどやってないというか、やる勇気がないのはファスティングくらいですね。。ご飯食べられないのは考えられない。。。
⑤情報収集=お金儲け(ビジネス)という感覚
→TVや雑誌、メディアに取り上げられた情報はみんな知ってる情報なのである意味古いですよね。本当に今が旬な情報は人が持っているので、多くの人に会うという事をより大事にするようになった。
今までは人脈形成で人と会う事が多かったけど、お金儲けという点で会おうと思うようになった。あと、無料のセミナーよりも有料セミナーの方が明らかに情報の質がいいので、有料セミナーに行くようになりましたね。
⑥周りが変わった
→起業した瞬間から感じた事。特にビジネス上でつながりのある人が変わった気がした。
これはポジティブな事もネガティブな事も含みます。
ポジティブな意味では、君が社長になったんであれば仕事をお願いしたい。という嬉しい言葉をもらえた事。起業という一定のリスクを取る事で、リスクを取った人たち(起業家、経営者)からの共感を得られたこと。社長は社長を応援するし、後輩社長ならかわいがるみたいな風習あるんですよ。サラリーマンの時にもかわいがっていただいた社長は多くいましたが、なんて言うか、、かわいがり方が違うんですよね。。
ネガティブという意味では、ある程度の会社で決済権あったから付き合ってたけど、、、自分で小さい会社やるならあんまり用はないよ君に、と思われてしまった方は音信不通に。。ちょっと寂しですね。この人もかい!!みたいなガツンとショックな時もありました。
⑦思考が前向き、ポジティブシンキングじゃなきゃダメ
→不安を感じるのは不安があるから。不安を作っているのは自分自身の思考。という言葉を本で読んだことがあります。この事が本当に理解できた。
起業すると自分のタスクを理解してくれて支えてくれる人がいなくなります。そうなると、思考が負のスパイラルに入った時、誰も助けてくれないんですよ。なので、日ごろから楽観的というかポジティブでいなくてはいけないと思うようになりましたね。
出来なかったらどうしよう、上手くいかなかったらどうしよう、、こんな思考なんの役にも立ちませんね。。
⑧コミット力は上がる⤴
→かっこつけるわけではないですが、仕事に対してのコミット力は数段上がりました。
頂いている報酬の3倍の結果は最低出そうと本気で思って行動してます。
でも、この3年間で契約解除が1件、報酬減額が1件という苦い苦い結果もあります。
大事なことは、自分自身が一つ一つの仕事にコミット力が上がった、向き合えた、と思えることです。そのコミットと結果は別物です。
そうゆう事からも自分が本気になった時にどこまでパフォーマンスや結果を上げられるか自分自身が知れるといういい経験にもなっていると思います。自分自身の本気を知るってけっこう斬新でした。
⑨嫁さんの不安は予想以上に大きい
→ここは本当に難しい。。贅沢は出来ていませんが、生計は立てられているので嫁さんは結構安心してくれいると思ってました。が、、、全然そんなことなかった。
企業に勤めている方が安心してたっぽいです。ここはうちの嫁さんの性格もありますけど、思っている以上にケアをしてあげた方がいいと思います。
小さい子供がいる家庭は特に!!!です!
仕事と家庭を両立させて一流だと思っているので、ここは頑張り、成し遂げたいな。。
⑩物を買う時、価格より支払い方法、キャッシュフローを考えるようになる
→私は新卒で会計事務所で勤務した経験を持ちます。2年半法人決算を担当してました。なので決算書はそこそこの数を見てきました。が、、、自分の会社のものとなると全然見え方が違う!
B/S,P/Lとキャッシュフロー計算書、この辺の財務諸表はめちゃくちゃよく見るようになります。ここはかなり勉強になります。
キャッシュが尽きたら会社はゲームオーバーなので、一括で買って金利払わない事よりも、毎月の支払いが(キャッシュアウト)軽い方がいい、みたいな感覚になりました。
キャッシュフローを気にしすぎて借入をすると、癖になっちゃいました。
ちゃんと会社が回っていれば、法人の借入って色んな制度があるので難しくないですし、金利もめちゃ安い。
なのですぐに借りたくなっちゃう。。自分はその辺を税理士によく止められます。。
おまけ:選挙とか納税とかちゃんとするようになる。
今までももちろん選挙や納税はしてましたよ。でも、なんか意識が変わりました。
政治に対してもこれからこの政治家はどう変えて行きたいんだろうとか、この政治家の語る未来は見てみたいな、とか政治家って将来を創造していきたい人がなるんだな、と思えたことが変化です。
税金も今までは勝手に給与から引かれ手取り額が振り込まれてました。納税意識は持ってないに等しかった。でも今は、企業活動の中で得た利益を収めるので、自分の中で重みは全然違いますね。
ちょうど、子供も保育園に通っていて、そこにも多額の税金が使われてます。
今は自分で収めた税金が、このようなところに使われていると身近に感じられているので実感しやすい環境なのもちゃんと納税したいと思える一因なのかもしれません。
まぁ一言でいうと、ちゃんと大人の感覚になったな、、と思いますねw