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株式会社ZIZI代表の豊泉剛(ゴー)ブログでGoBlo(ゴーブロ)

プレイングマネージャーの苦悩

プレイングマネージャーとは、自らプレイヤーとしてタスクをこなしながら、部下やメンバーの管理、育成のマネジメントも行う管理職の事。

 

どこの会社でもいるのではないでしょうか、プレイングマネージャー
なんか、聞こえはすごそうというか、強そうでかっこいいですがやってみるとほんときついですよね。。

 

今の時代、部長や課長、マネージャー等の役職がついていて、プレイヤーの仕事はなしで、マネジメント業務だけでOKなんていう人、、ほぼいないですよね。

 

特に自分が属していたベンチャー系の企業や、今の顧問先、知人の会社含め、ほぼみんなプレイングマネージャーだらけだと思います。むしろ社長自身がプレイングマネージャー。。


そんなプレイングマネージャーについて思う事。
10年前、15年前、よりも今の方がきついです。ほんとに難しい。。

なぜ15年前かというと、自分の経験としてマネジメント業務を初めてこなしたのが15年前だからで、自分の経験をもとにブログ書いてます。

 

では、何がきびしい、難しいのかというと、

プレイングとマネジメントを同時にやる事です。

 

10年、15年前はなぜ今よりやりやすかったかというと、その当時の部下、メンバーの進みたい方向性の選択肢が少なかった。
というよりかは画一化されていたから、似ていたから、だと思ってます。

 

当時、部下は23歳~29歳までの20代が中心です。

当時の部下達は
①役職を付けてチームや部を持ちたい
②将来は起業をしたい
③とにかく稼ぎたい
④チームで楽しく働きたい
⑤仕事とプライベートを分けて、共に充実させたい

とこんな、願望を持って仕事していたと思います。ほぼどれかに当てはまってました。

今見ても、うん、、まあこんなとこでしょう。。と思いますが、そう思える事がマネジメントのやりやすさを象徴しているのかもしれません。
簡単に言うと、みんなこうなりたい、という願望が似ていた。という事です。

 

なんか個性がないようにも思えますが、そういう意味ではなく社会人になり、こうゆう成長をして、これくらい稼げるようになっていて、
だから、こんな人生設計が可能で、、という具合に未来がなんとなくイメージ出来た。そんな時代が10数年前だったんだと思います。
終身雇用時代は40歳で課長、50歳で部長と決まっていたのでもっと似ていたんでしょうね、きっと。。

 

なのでマネジメントする側も、君の進みたい人生設計は理解できた。であれば、この部署でこのミッションをお願いしたいと、本人との合意形成をするのが容易でした。

 

ですが、今はどうでしょう。
20代の特に若い世代は、こうなりたい!という社会人としての願望が多種多様過ぎる。。

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これが全てポジティブ、前向きな多様性なら全然いいのですが、ネガティブな前提がある場合が多い。
ここが厄介なところです。

 

ネガティブとは、
・そもそも稼げると思っていないので、商売(稼ぐ)というビジネスの本質に興味が持てない
・他人やチームとの協業とか面倒くさい
・何かのルールに合わせるとか、空気読むとかそうゆうの嫌だ
・自分のやりたい事以外は興味がない、関連性を見つけようともしない
このような意見や考えを持っているという意味です。

 

ゆえに、マネージャーが各々のポジティブな成長計画を描くのが困難になってます。

 

メンバーのポジティブな願望や人生設計をヒアリングする前に、このネガティブな思考の壁を取り除く事が先決です。
この壁を取り除かないままマネジメントしていくのは自分は不可能に近いと思ってます。

 

20代の若い社会人は、スキルやビジネスを学ぶのは当然ですが、同時に考え方や人生観も学んでます。そこを学ばせ気付かせてあげるのも企業の大事なミッションだと思います。

 

今、自分は顧問としていくつかの会社をコンサルティングしております。
営業組織の構築や、メンバーの育成コンサルの仕事も多いです。

 

基本的なカリキュラムはメンバー(役職なし)を週1回1時間面談します。
1時間の内容は前半30分で、先週の稼働状況や受注状況、その過程で出てきた課題や悩み事を話ます。
後半の30分は、実戦形式のロールプレイングで苦手な部分や、プレゼン、アウトプットの練習をします。

 

そして、マネージャー層(管理職)とは月に2回ほど面談して部下の状況や抱えている課題、足りていないスキル等々、
報告します。そしてマネージャー自体が抱える問題や悩みを聞いてます。

最後は月に1回、役員陣にマネージャーと部下の関係性を中心に各人の報告をする流れです。

 

このコンサルを通じて思うのは、メンバーの悩みや課題がマネージャ-、役員等の上層部が把握できていないケースが多いという事。

このメンバーの抱える悩みや課題も、複数人が数年にわたり蓄積すると、現場の環境や文化にまで影響を与える事も多いと思ってます。

そのようなフラストレーションの溜まっている現場にフレッシュな新卒が入ってもすぐに侵されます。。こうなると完全なる負のスパイラルです。

 

1週間に1度だけ面談している自分でも把握出来るのに、なぜマネージャー陣は毎日顔合わせていて出来ないの?と以前は思いましたが、今の子達は繰り返しですが多種多様です。。

 

マネージャー陣もプレイング(通常業務)をしながら、部下が持つネガティブな壁の部分から向き合い、管理育成をしていくというのは無理があると思うようになりました。そんな時間ないし、、ちょっと酷ですね。。

 

アフターコロナでは働き方が大きく変わっていく事が予測されています。
そんな中で新卒採用はストップする企業も増えていて、それは社内でじっくり育てていく方針を転換するという意味を持つと思います。
このマネジメント業務の難しさを理解すればそのような方針転換も理解できます。

 

個人的な意見ですが、この先、多くの会社が中途、即戦力を中心に採用活動しても日本全体が到底よくなるとは思えません。
自分も新卒時代から企業に育てられたと実感している身なので、新卒から育て上げる方針の企業がもっと増えて欲しいのと同時に、応援・サポートしていきたいと思ってます。

 

最後に、自分の提案としてはプレイングマネージャーにはよりプレイヤーの部分を多くこなしてもらい、プレイヤーとしてのスキルを部下に教えていく、そして企業で最も重要な売上利益に貢献していく。

一方でマネジメントの部分は人事等がしっかり介入し、その子その子を理解した上で、ネガティブな思考の壁を取り除き、現場のマネージャーと共に育成プログラムを組むというような連携が必要だと思います。